『そもそもの事の始まり』
咲くカフェによるベーカリーカフェ「咲くカフェ Flower」が生まれた経緯は、前回のエピソード「咲くカフェ Flower 誕生ストーリー」で書いた通りですので、ぜひまずはそちらをお読みください。
突然手に入った1軒の古民家。→ 「さぁどうする??」 → 「ベーカリーカフェにするのが良い!」からの、、、話ですが、前話はいわゆる「ハード面」の話でした。
今日お話しするのは、そのお店の内部の「ソフト面」の話です。
それでは、、、
本当に信じられないような、、、アンビリーバブルなw、、、
また逆にこれを読んだ方は「自分もまだまだ頑張れる!」っていう気持ちにもなるかな(?)のエピソードをお聞かせしましょう♪笑
「パン職人探し」
まず遡る事、例の古民家を「ベーカリーカフェにするのが良い!」と思った頃の話。
当時の僕の考えはこうでした。
Plan1.家をリノベーションしてお店を仕上げつつ、パン職人を社員として雇い入れて焼いてもらう。
→ 雇われたパン焼き社員さんはパンの売上がどうあれ、安定したお給料で働ける。
Plan2.リノベ-ションまではこちらで行い、ベーカリーカフェをやりたい方(パン職人または経営者)を呼び込み、家賃貸しで貸し出す。
→ ただ家賃収入で工事費を回収するのは難しいから、工事の段階で折半か? もしくはやる人が自分の好きな様に作りたいならお任せか?(ただし咲くカフェタウンのイメージから外れないような店構えにしてもらって・・・とか。)
・・・そんなことを考えつつ、実は一番最初に声を掛けたのは、今や大子町では皆様ご存じの「Michiru Bakery」のレミさんでした。
レミさんが大子へ移住する前にInstagramでつながり、メッセージでやり取りをし、実際にお会いし、そして工事前の古民家も実際に見てもらいお話をさせていただいた事もありました。
その後は皆さんもちろんご存じの通り、レミさんは自らで「Michiru Bakery」を立ち上げました♪
「絞られた、先の見えない道」
そんな頃に並行して?だか忘れましたが、前回のエピソードでもお話しした「事業再構築補助金」を取ろう!という気になってきました。
そこで思ったのは、補助金を取るなら「Plan 2は無しで、Plan1だな。」と。
「人に貸すため」では採択されないだろうから、「自主運営の新分野展開」として申請しようと。
とうことで自然と絞られた方針。
「自主運営の店舗を作り、パン職人を雇い入れてお店を回す。」
補助金申請と並行して、パン職人の求人も公開!
大子町界隈ではそんなピンポイントの人材は見付からないだろうから、もう移住前提の求人です。
東京関係の知人や、製菓学校関係やパン屋さんに繋がりのある知人やその他、聞けるところはひたすら話を流してもらいながら。
そして咲くカフェの女性用社員寮はありましたが、男性だった場合は「どこに住まいを用意しよう?」と常に空き家等も意識して考える日々。
でもそう簡単に求める人材は現れない。
しかもちょっとハードルが高いかなと思うのが、お店のパンメニューの構成を作る所から全てやらなければいけないという事。
咲くカフェ側からの要望は、咲くカフェで現状仕入れている「フランスパン」「カンパーニュ」「全粒粉入りバーガーバンズ」を最低限焼いて欲しいということ。
それ以外は自由にやれるのだけれども、、、、何もないところから全てを創り上げなきゃいけない。
実際、求人への応募は少しありましたが、求める様な即戦力の経験者ではありませんでした。
そんなこんなで、人材が現れないままそれなりの月日が経ち。。。
当初、ベーカリーに使う機材等もろもろ、一切の知識を持っていなかったので、職人さんが決まったら【メニュー】と【必要な機材】を相談して決めようと思ってました。
ただ、人が決まらない。。。
実際、事業再構築補助金の申請や採択を受けた時にも、職人さんの当てがなかったため、事業計画の中に【機材】類は入れられませんでした。
無理矢理リストに入れ込んで、買って、いざ容量が足りないとか、焼きたいパンを焼くのには向いてないとかなったらどうしようもないなと思い・・・。
せっかくの補助金。機材関係はトータルかなりの金額ですので、ここを入れ込めなかったのはちょっともったいなかったですね・・・。
なので、補助金採択後に大工さんの工事が始まった段階でも「一応、オーブン関係も入る予定です。ガス?電気?はもうちょっと待ってください。」と伝えながら工事がスタートしていた状況でした。
「次のアタック」
そんな中「Michiru Bakery」のレミさんの時の様に、こちら側から直接アタックをした職人さんがもう一人いました。
ぶっちゃけ今だから言えますけど、当時大子のスーパーマーケット「TAIRAYA 大子店」の中にあるインストアベーカリー「ブローニュの森」のチーフさんでした。
今で言う「大子ラクダマーケット」でもお馴染みのバブルワッフルやホットドッグのキッチンカー「なっぺ Cafe」さんです。
というのも、元々咲くカフェで使用していたフランスパンや、オリジナル特注のバーガーバンズはそのチーフさんにお願いして注文していたのです。
なので、若干「引き抜き的?」というか、普通に「もし良かったらどうですか?」とのお誘いでした。
本人も興味を持ってくれて、少し話が進みそうな雰囲気になったところで、、、
いったいなぜなのか? まだ二人でしかやり取りをしていないその話が(と言っても何も話は進んでいない状態でしたが)、「ブローニュの森」の本社の耳に入り、チーフは東京本社から呼び出しを食らってしまったのです・・・。
それから本人もこちらの話には疎遠となり、結局、咲くカフェFlowerはパン焼きの当てが無いまま冬を迎えました。
この頃になると、DIYの店舗工事も終盤戦に入って来て、いよいよオープン日を決める頃。
もうこうなると、僕の頭の中での方針は決まってました。
「 僕(LEMS) が や る (焼 く) ! 」
そして決めたオープン日は3月27日!
ということで、さてどうなるぅ~??
「初めてのパン」
そもそもなんで「咲くカフェ Fower」のオープン日を「3月27日」にしたかというと、、、、
前々から、「今年度中(3月中)にはOpenする!」と公言していたからです。笑
(それまで散々、Open日を未定にしてきて「冬の間には・・・」という風に延ばし延ばしできていたのを、いざ期間を設定して公言したんです。)
なので、延ばし延ばしで3月の最終週の始まり = 3月27日(水)となりました。笑
もし可能なら一度オープン前の実際の現場を見ていただいて提案いただけないか?」
「初焼き」
2024年2月初旬 -【Openまで2カ月弱】
2024年2月3日 - 【Openまで1ヵ月と24日】
「カンパーニュと共に苦悩した期間」
2024年2月9日 - 【Openまで1ヵ月と16日】
カンパーニュは元々「咲くカフェ」のレギュラーメニューの「カンパーニュサンド」に使用しているパンだけに、いち早く良い状態で仕上げたいパンでした。
だがしかし・・・
どのレシピを何度忠実に再現したり、アレンジして試そうとも、思い通りの膨らみ=クープの開きにならず、じっとり重い仕上がりに。。。
それとは逆に「バゲット」や、全粒粉生地を使った咲くカフェバーガーの「バンズ」は徐々に良い仕上がりに♪
2024年3月6日 - 【Openまで21日】
「カウントダウン」
カンパーニュの試作をやめてからは順調にスピードアップしてパンのラインナップ作り。
マフィン・スコーン・シュークリームなどの焼き菓子にも挑戦し「パンに比べて焼き菓子はめちゃ簡単だな。」と調子にも乗ってきました。笑
どんなパンを並べるのか?は、「こんなパンがあったら良いな。」というイメージ先行。
ライ麦パン・・・クリーム系・・・ナッツ系・・・惣菜系・・・。
そしてパンや焼き菓子のメニュー作りと同時に、ドリンクメニューの考案。
特に今回、実際のリアルエピソードとして面白いのは、"コーヒー以外"のドリンクメニュー。
コーヒー系じゃない「魅力的で見栄えも味も良い数々のドリンク」をイメージしていました。
そこで、どんなドリンクをメニューに並べるのか??
・やっぱり奥久慈茶を使うのはいいよね♪ 茶葉と砂糖でシロップ作ると色々出来そう♪
・次はミルクじゃなく豆乳系? それに合いそうな黒胡麻とか? 小豆入れたり? ネットにそういうレシピありそう。
・スムージーいいよね♪ 奥久慈りんご & 大子野菜♪ お花を飾って目玉に!
・上の3つのメニューを見ると色が野菜で「緑」、お茶で「緑」、そし「黒ゴマ豆乳」だから、もっと見た目が華やかなやつ欲しい・・・味も見た目も変わりそうな「ベリー系」? ベリー系にミルク合わせればピンクっぽくなるんじゃん?
という完全に頭の中の発想のみでラインナップが決定!
・「咲くカフェFlower スムージー」
・「奥久慈茶ミルク」
・「黒ゴマ豆乳」
・「ベリーピンク」
そして何日かするうちに、店内に掲げるメニューボードの印刷も完了しました。
「今回実際にあった面白いリアルエピソード」と言った部分がまさにこれです。
1.メニュー名が決まりました。
2.メニュー名が印刷された掲示用メニューボードが届きました。
3.そのメニューボードを店内に飾りました。
×でも実際は、そのメニューのレシピはまだ何も出来ていない!笑
2024年3月17日 - 【Openまで10日】
ドリンクを担当するマネージャーTsutaにレシピの催促をされながらw、その後、合間合間で試作をしながらレシピがほぼ完成するも、オープン当時にいらっしゃった方は「ベリーピンク」が販売していなかったのをご存じの方もいるでしょう。
今や人気ドリンクの「ベリーピンク」のレシピはオープンには間に合いませんでした。笑